アブルッツォ州の自然派ワイナリー、デ・フェルモが1700年代から完全自然栽培している古代小麦、セナトーレ・ディ・カッペッリ使ったスパゲッティです。長い期間をかけて豆類と穀類を輪作し、緑肥を施すバイオダイナミック農法で十分な休息と活力を与えられた土壌でできた硬質小麦は、完成品のスパゲッティからもそのエネルギーが伝わってくるよう。パスタの製造はトスカーナ州キャンティにある「老舗パスタ工房ファッブリ」。38度以下で作られたパスタは最大6日かけてじっくり乾燥され、古代小麦がもつタンパク質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養分や風味がそのまま感じられます最大6日かけてじっくり乾燥させた太めの「スパゲットーニ」は、シンプルに茹で上げオリーヴオイルとチーズ、シンプルなトマトソースなどで充分。小麦の味をかみしめてください。
【解説】古代小麦とは?その種類とメリット
古代小麦とは?
イタリアにおいて小麦は、パンやパスタ、ピッツァなど日々の食卓に欠かせない食材の原料です。近年その小麦がもつグルテンが原因となり、不耐症やアレルギー、セリアック病などが多くみられるようになったことから、「古代小麦」の再評価が始まりました。しかし古代小麦とはいったいどのようなものなのでしょうか?
古代小麦と呼ばれていても、1900年代半ばまでは普通に栽培され食べられていた品種です。しかし1970年代の高度経済成長期に入ると、古代小麦は下記の理由から敬遠されるようになりました。
- 背が高いため、天候により折れたり倒れたりする
- 粒の色が濃く、大きさ形が不均一
- グルテンの量や性質で加工に時間がかかる
それを解決するために
- 背が低くて天候に左右されにくく、大量栽培が可能
- 粒の色が薄く、大きさ形が均一
- グルテンが多く短時間に工場で大量生産しやすい
そんな小麦を作るために交配して作られたのが、「近代小麦」と呼ばれるものです。
La filosofia di De Fermo
(輸入元資料から…ワイナリーがつくるパスタなので、ワイナリーの話中心になっております)アブルッツォ州中部ペスカーラから西に約30km、イタリアを代表する生産者エドアルド ヴァレンティーニのセラーがあるロレート アプルティーノの郊外で170ヘクタールという広大な敷地で農業を営むデ フェルモ家。
ボローニャ出身のステーファノは妻エロイザの実家の敷地で、2008年から1ヘクタールの畑を借りてブドウの栽培を開始しました。初めの頃、ワインを造るのはハードルが高く、自分の理想とするセラーを造るには莫大な費用がかかるため半ば諦めていた、ステーファノ。2008、2009年の2ヴィンテージはブドウを栽培するだけで、収穫したブドウは売却していました。
ひょんなきっかけから、妻の実家の建物の一つで、誰も中を見たことがなかった扉の鍵を受け取り、54年振りにその扉が開けられると、中にはなんと昔のワインセラーが。調べてみるとこの農場は10世紀に修道士が住み着きブドウを栽培していた土地であり、1785年から義母の叔父が知られざる理由により1955年に醸造をやめるまで、デ フェルモ家がこの場所でワインを造っていたことが判明。そこから、ステーファノは、2010年春に5トンのモンテプルチャーノを醸造したところから本格的なワイナリーとしての活動を始めました。
2011年にはシャルドネ、2012年からプレスしたモンテプルチャーノのモストからチェラズオーロ(ロゼ)、2013年からペコリーノの醸造をスタートし、農場全体の管理を任されることになりました。ワイン用のブドウ畑は海抜320mの粘土質土壌で広さは17ヘクタール、その年最も良かった区画のものだけを自ら醸造し、それ以外のものは売却するという贅沢な形で現在は4万本を生産しています。ワイン以外にもオリーヴオイルや豆類、小麦粉をビオディナミ農法で栽培。ワイナリーでは出来るだけシンプルな醸造を心掛け、醗酵や熟成にはセメントタンクや使い古しのトノー、スラヴォニア産の大樽を使い、清澄作業や濾過を行わずボトリングされます。酸化防止剤は、澱引きのための樽の移し替え時ないしボトリング時に最小限度の量のみ使用しています。