酷暑を乗り切る夏ごはん

酷暑を乗り切る夏ごはん

毎日、ほんっとに暑いですね!
私は例年のように6月半ばから7月末まで日本に帰省し、トスカーナの我が家に帰ってきたばかりです。日本のまとわりつくような蒸し暑さから解放される!クーラー漬けから解放される!と喜んでいたものの、トスカーナの夏も日本に負けてはいません。日本と同じく連日35度を超える酷暑で、雨はもう何週間も降らず。湿度は日本より低いけれど、その分、日中の強い日差しでひからびそうで、できるだけ家にこもっています。幸い田舎住まいのため、朝晩は過ごしやすくクーラーなしでもなんとかなっているところ。しかし掃除や料理をすると、毎回シャワーをしないといけないほど汗が吹き出してしまいます。

長い夏休みで息子たちが毎日家いてるので今日はなにを食べよう?というのに加え、冷たい料理、できれば、いかに火を使わずに料理するか?に苦心しています。

酷暑を乗り切る夏ごはん

冷たいイタリアン、といえば、日本ではカッペッリーニを連想されると思いますが、イタリアの一般家庭では見たことがありません。同じ冷製パスタでも、こちらではショートパスタを使用。具材の定番は、小さく切ったトマトとモッツァレッラチーズをベースにオリーブやハジリコを加えたシンプルなものです。

同じ具材を使いながら、パスタの代わりにお米やスペルト小麦にしたりもします。ライスサラダの場合は、各種野菜やきのこ、ケーパーのピクルスが入った具材ミックスの市販品を使うことも多く、ゆでたお米に和えるだけなので本当に便利!

しかし日本のざるそばやそうめんと同じで、冷製パスタもライスサラダも食べるときは冷たいですが、ゆでる必要があるのでどうしてもひと手間かかるし、何よりも作る人(私!)が暑い思いをしてしまうので、それさえもできるだけ避けたい!というのが本音です。

酷暑を乗り切る夏ごはん

そういう時の究極のさぼりメニューは、やはり種類も豊富なサルーミ(ハム類)とチーズ、トスカーナ定番のレバーパテをはじめとするクロスティーニ。つまりスーパーやお惣菜屋さんで買ってきたものだけなので調理の必要がまったくなく、並べて好きなものを食べてもらうシステムです。それよりも多少手がかかるものの、小さく切ったトマトを軽くトーストしたパンにのせたブルスケッタやトマトとモッツァレッラチーズをスライスしたカプレーゼ、夏のトスカーナの定番であるパンサラダ・パンツァネッラ、ブレザウラ(牛肉の生ハム)にルーコラとパルミジャーノ・レッジャーノチーズスライスをのせたもの、下ゆでした豆缶にツナと赤玉ねぎのスライスを混ぜたものなども、夏の食卓では欠かせないメニューです。

酷暑を乗り切る夏ごはん

以前に比べると海外の食材を扱うお店、ベリッシモをはじめとするオンラインショップも充実していますので、日本の食卓にもぜひイタリアの夏の料理を取り入れてみてください。暑い夏もあともう少し、できるだけ料理に疲弊せず、冷たいお手軽イタリアンで夏を乗り切りましょう!


文・写真/中山久美子
日伊通訳・コーディネイター。2001年にフィレンツェ留学、結婚ののち、2005年よりトスカーナ北部の田舎に在住。トスカーナの小さな村、郷土料理やお祭り、料理教室などのプログラムを紹介するサイト「トスカーナ自由自在」を運営。イタリアの美しい村30村を紹介した「イタリアの美しい村を歩く」を東海教育研究所より出版。