La Lupa(ラ ルーパ)
「同じ瓶は何一つない、唯一無二、一期一会・・」
ジョナサン ノシター監督が手掛けたモンドヴィーノという映画を見たことがありますか?20年前に公開された映画なのですが、ウィキペディアによると「近年のワイン業界の世界規模の商業化とそれに反対する人々を取材」という内容との事(もちろんオータは上映当時に見ていますが、ウィキペディア様の仰る通り(笑)!)。つまり…20年も前に、畑を取り巻く環境や、テロワール、ヴィンテージ、ブドウの個性、そしてワイン造りとはセラーで組み立てるようにしてなされるものではなく、収穫したブドウの中にすでに備わっているものをただシンプルに表出させることなのだという、ナチュラルワインを志向する上で欠くことのできない基本理念の重要性を訴える映画を、ワイン業界から憎まれることも承知の上で作っちゃったという…。
そのジョナサン ノシターが、ラツィオ州のボルセーナ湖を見下ろす場所で、世界中から集めた固定種のトマトで究極のトマト瓶を作ることに…。パーチナのジョヴァンナの言葉を借りるなら、「ありとあらゆることに精通し、気を回さなければいけない映画監督という職業独特の偏執的なまでのマニアックさというか、ディテールを追求する姿勢をもって、ワタシ的には世界で一番美味しいトマト瓶を具現化したとでも言えばいいのかしら…。」というトマト瓶です!
ボルセーナ湖は、36万年前の火山噴火でできたカルデラ湖。というわけで、ボルセーナ湖の周りは、火山岩質のミネラルに富んだ土壌。ノシターが所有する土地ラ ルーパも、古くはエトルリア人が住み、農耕を行っていたことが確認されている場所。(ノシター家の下には、エトルリア人が掘った地下洞窟が!)約1haの畑を土壌や斜面の向きなどで11(!!)の区画に分け、そこで100種類以上(!!!)の品種のトマトを育てています。噂によると、所有するトマトの品種(種として)は400を超え、他の野菜や果物なども古い品種のみを栽培、その数は1400種類にも及び…。
多品種のトマトを比較的小さな畑で育てていますので、何もしないと自然交配して別の品種になってしまう可能性もあるため、手作業で品種ごとに受粉作業をしているそう…。そうやって最大限のケアと愛情をもって育てられたトマトは品種ごとに収穫され、ヘタを取り洗浄した後にビンに詰めフタをされ、近所の板金屋と共同開発した特製湯煎器で85℃以下の温度で調理&加熱殺菌、塩も一切入っていません!(ラベルにある成分表の“塩分”は、トマトそのものに含有されているもの)品種ごとの違いは当然のことながら、畑によっても、味わいが大きく変わるとジョナサンは言いますし、加えてヴィンテージによって製品の濃度(シャバシャバ具合)も大きく変わるとの事。
ジョナサン自身アメリカ人という事もあり、アメリカへの輸出も検討したそうなのですが、品種によっては数瓶しか分けられないという事情をアメリカ人に理解してもらうのが難しかったという事で諦めたそう(笑)。というわけで、今回の入荷分でも2瓶しか届かなかったものが4種類ほどありました。
今回届いたラインナップは下記の通りとなります。
もしかしたら、世界で一番高いトマト瓶かもしれませんが、お味は保証します!ニンニクはお好みで、オイルと一緒に20-30分優しく煮詰めていただければ、唯一無二のトマトソースの完成です!!
(出典:vinaiota)