うまみ凝縮!イタリア版の魚醤、コラトゥーラとは?
イタリア小話~Chiacchiere!/Mail Magazine 29 Aprile 2020
みなさん、こんにちは!
美食の国イタリアには、オリーブオイルやバルサミコ酢など、様々な調味料がありますね。
皆さんは、「コラトゥーラ」という調味料を聞いたことはありますか?
カタクチイワシを発酵させて何年も熟成して作られた、イタリア版の魚醤です。
なんといっても濃厚な魚のうまみが特徴的で、
パスタやドレッシングにたった一滴加えるだけで、旨みの世界がぐっと広がりプロの味に近づく・・・そんな夢のような調味料です。
今回は一度使ったら手放せなくなってしまうような、
イタリア伝統の調味料「コラトゥーラ」をご紹介します。
コラトゥーラとは?
コラトゥーラの正式名称はコラトゥーラ・ディ・アリーチといい、
「Alici(アリーチ)」=カタクチイワシの名の通り、カタクチイワシを発酵させて作られる魚醤です。
特に、カンパニア州の港町・チェターラで伝統的に作られています。
塩みと魚独特のうまみ、そのどちらも兼ねた万能調味料で、
たった一滴たらすだけでも料理に奥深い味わいを感じさせるほど、魚の濃厚なエキスが詰まっています。
魚醤の街・チェターラ
チェターラはカンパニア州のアマルフィ海岸にある漁村です。
古くから漁師の街として栄えており、今でも街中には新鮮な魚介を楽しめるレストランが多く並びます。
コラトゥーラを使った料理を出すお店も多く、
イタリアの中でも他の街とはメニューのラインアップがひと味違います。
新鮮で美味しい魚介イタリアンが好きな方には是非とも行ってほしい街のひとつです。
コラトゥーラの作り方
コラトゥーラの材料は、新鮮なカタクチイワシと塩のふたつだけです。
頭と内臓を取り除いたカタクチイワシを樽の中に敷き詰めて、塩と交互に重ねていきます。
樽の中いっぱいに敷き詰めたら木蓋をして、3~4年ほど熟成させます。
じっくり熟成させるうちに、魚のうまみが凝縮された濃厚なコトゥーラが出来上がっていきます。
熟成が終わったら樽の底に穴をあけて、一滴一滴丁寧にコラトゥーラを抽出します。
コラトゥーラは数年の熟成期間と機械を使わない手間が必要な、とてもこだわり深い調味料なのです。
オススメの使い方は?
コラトゥーラには様々な使い方があります。
グリルした野菜、ステーキ、ローストポーク、魚などの上に数滴たらして食べる。
バーニャカウダソースやサラダのドレッシングの隠し味に使う。
ペペロンチーノなどのシンプルなパスタを食べるとき、最後に一滴かけるなど・・・。
幅広い食材に旨みを足してくれるので、
日本の醤油のような感覚で食卓の真ん中にコラトゥーラの瓶を置いて、
好きな料理にお好みでちょい足しして使います。
こちらのコラトゥーラ、まだ日本ではイベントや一部のお店でしかあまり目にしませんが、Bellissimoで購入可能です。
普段のレシピの味が爆発的(!)にアップする魔法の調味料ですので、ぜひとも一度ためしてみて下さいませ!