イタリア・バレーボールリーグ

イタリア・バレーボールリーグが熱い!

イタリアのスポーツと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? やはり一番はサッカー、そしてフェッラーリを擁するF1、昔から根強い人気の自転車競技。しかし今や「世界最高峰」と呼ばれるリーグが存在するのが、バレーボールです。今季でなんと10季目を迎える日本代表キャプテンの石川祐希選手、昨季まで3季に渡り高橋藍選手もプレーする男子のスーペルㇾガ、パリオリンピックで金メダルに輝いたイタリア代表女子選手に加え、石川真佑選手などもプレーする女子セリエAも共に国内外で注目されています。

イタリア・バレーボールリーグ2023年の女子欧州杯の様子

イタリアのバレーボールといえば、なんといっても1990年代の男子の黄金時代です。国内リーグのレベルはすでに高かったものの、代表では目立った戦績のないイタリア。しかしパリオリンピックで女子代表を金メダルに導いたヴェラスコ監督が1989年に就任すると、同年に欧州選手権、翌年には世界選手権で金メダルを獲得します。2000年までに世界選手権3大会連続など大部分の世界大会で優勝するも、オリンピックだけは金メダルを取ることができませんでした。しかし2000年以降も男女ともに世界の強豪チームで、現在も男子は世界ランク5位、女子は1位となっています。

いっぽう日本代表は男子は2023年にネーションズリーグで銅メダル、翌年に銀メダル、女子も2024年のネーションズリーグで銀メダルを獲得するなど、急成長しています。前述の石川祐希選手を筆頭に海外、特にイタリアリーグに挑戦する選手が年々増え、今年は男女ともに3人の主力日本人選手がプレーするのですから、バレーファンはイタリアリーグからも目が離せませんね。

イタリア・バレーボールリーグ2024年ペルージャ移籍後初の公式試合・スーパー杯で優勝・MVPの石川祐希選手

それでは日本人選手が所属するクラブを中心にイタリアリーグについて解説しましょう。
まずは石川祐希選手が今季から所属するのがペルージャ。昨季は国内リーグ、イタリア杯、スーパーイタリア杯、世界クラブ選手権の4冠を達成した世界一のクラブです。今季はチャンピオンズリーグを含めた5冠を狙います。代表や昨季まで所属したミラノでエースでしたが、各国の代表ぞろいのペルージャではスタメン争いからスタートという新たなステージで更なる飛躍が期待されます。
石川選手が昨季まで所属したミラノには、日本代表では控えの多かった大塚選手が海外リーグに初挑戦。石川・高橋という日本代表スタメンに割って入るべく、今季はチャンピオンズリーグにも出場のミラノでレベルアップを図ります。大塚選手と高校・日本のクラブで一緒だった垂水選手はレンタル移籍でローマ至近のチステルナに加入。チームは中下位ながら、オリンピック金メダルのフランス代表選手なども所属し、こちらも見逃せません。

イタリア・バレーボールリーグ2023‐24シーズン、フィレンツェでプレーした石川真佑選手

いっぽう女子は、昨季に続いて石川真佑選手がプレーしますが、フィレンツェからレベルアップして今季は強豪・ノヴァーラに移籍。このノヴァーラを含む4強であるコネリアーノ、ミラノには、それぞれセッターの関選手、リベロの福留選手も加入します。どちらも世界に名だたるプレーヤーぞろいゆえ控えの可能性が高いですが、そんなチームメートに囲まれてリーグ戦やチャンピオンズリーグに参加する経験はきっと大きな成長をもたらせてくれると思います。

さて、そんなイタリアのバレーボールリーグを観戦するには? 男子に関しては石川祐希選手が所属するペルージャ戦に限りFODおよびフジテレビNEXT ライブ・プレミアム が日本語実況解説付きで放送します。男子のそれ以外、女子の試合については有料になりますが、バレーボール専用チャンネル VBTV、スポーツ専用チャンネルDAZNで全試合が観戦できます。

TVでの観戦では飽き足らなくなれば、ぜひイタリアに現地観戦へ!観光や食とともに、スポーツでもイタリアを楽しみましょう。


文・写真/中山久美子
日伊通訳・コーディネイター。2001年にフィレンツェ留学、結婚ののち、2005年よりトスカーナ北部の田舎に在住。トスカーナの小さな村、郷土料理やお祭り、料理教室などのプログラムを紹介するサイト「トスカーナ自由自在」を運営。イタリアの美しい村30村を紹介した「イタリアの美しい村を歩く」を東海教育研究所より出版。