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パヴィーア: イタリアの歴史と文化の薫り

【第九話】イタリア巡礼路を辿る†~魂を彩る神聖な旅~

Via Francigenaを巡る旅、もうしばらくイタリア北部の街を訪れてみましょう。かつて、東ゴート王国やランゴバルド王国の首都として栄え、その後も中世からルネサンス期にかけて重要な交易都市として発展したイタリア北部の街、パヴィーア(Pavia)をご存知でしょうか。ロンバルディア州にあり、現在の州都ミラノから南に40kmほどのところに位置するこの街は、ローマ帝国時代から続く豊かな遺産、中世の美しい建築物やキリスト教の影響が色濃く残る街並みが魅力です。中世においてパヴィーアはイタリア王権の中心地であり、神聖ローマ皇帝たちは12世紀までここでイタリア王としての戴冠式を執り行ったと言われています。また、1361年に創設されたパヴィーア大学もこの街を象徴する存在の一つ。その学問の伝統と静けさが街の雰囲気を作り出していると言えるでしょう。そんなパヴィーアの歴史と文化の奥深さを、今回は皆さまと共に深掘りしていきたいと思います。

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パヴィーアは紀元前3世紀にはケルト人によって建設され、後にローマ帝国の支配下に入りました。ローマ時代、パヴィーアは重要な交易都市として栄え、今もなおその頃の遺跡や美しい教会が街中に残っています。ランゴバルド王国の首都として8世紀から9世紀にかけて、この都市は政治と文化の中心地としての役割を果たしたと言われています。王宮や宮廷が築かれ、ランゴバルド王国の統治の中心地として繁栄しました。カール大帝との戦いの舞台となった要塞や城壁は、当時の歴史と戦略的重要性を物語っています。その後の中世からルネサンス期にかけても、パヴィーアはイタリア北部で重要な交易都市として発展しました。1499年、フランスのルイ12世による侵攻で、パヴィーアはフランスの支配下に入りましたが、1525年の有名なパヴィーアの戦いで、神聖ローマ皇帝カール5世がフランス軍を打ち破り、パヴィーアはスペイン・ハプスブルク家の統治下に戻りました。この時期、パヴィーアは政治的・経済的に安定し、文化と学問が花開きました。パヴィーア大学は、多くの著名な学者を輩出し、ヨーロッパ全土から学生が集まる学問の中心地として名を馳せたのです。街にはバロック様式の壮麗な建物が次々と建設され、その美しさは現在も人々を魅了しています。

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パヴィーアの市内にはティチーノ川が流れています。川沿いには公園があり、散歩や自転車での探索が楽しめます。特に夏季には地元の人々が集まるピクニックエリアもあり、家族連れや友人たちと楽しいひと時を過ごすことができます。この川にかかるのが「コペルト橋(Ponte Coperto)」。美しいアーチと屋根が付いた姿が特徴的な姿のこの橋は、パヴィーアを代表する見どころの一つです。川沿いの散歩道を歩く人々、ティチーノ川の穏やかな流れ。夕暮れ時にはロマンチックな雰囲気を味わうことができるでしょう。パヴィーアにいらした際はぜひこの眺めをご覧になってください。
もう一つぜひご覧いただきたい場所をご紹介します。「チェルトーザ・ディ・パヴィーア(Certosa di Pavia)」は、カルトジオ会の修道院として知られる美しい建築物です。この修道院は、1396年にジャン・ガレアッツォ・ヴィスコンティ公爵によって創設され、当時の宗教的な中心地として機能しました。ゴシックとルネサンス様式が融合した建築は、訪れる者を圧倒するほどの壮麗さを誇ります。修道院の正面ファサードは、白い大理石と彫刻の細部まで施された装飾に圧倒されることでしょう。聖人や神話の場面が緻密に彫られた彫刻からは、中世の職人たちの技術の高さが分かります。内部に足を踏み入れると、豪華な装飾と静謐な雰囲気が広がり、一瞬にして現世から切り離されたような感覚になることでしょう。チェルトーザ・ディ・パヴィーアの周囲には広大な庭園が広がり、静かな環境の中で散策を楽しむことができます。修道院の僧たちは、ここで祈りと瞑想を通じて神との対話を求めてきたのでしょう。現代では、チェルトーザ・ディ・パヴィーアは観光客にも開放されており、その歴史的価値と芸術的美しさを多くの人々が訪れて楽しんでいます。

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パヴィーアは、その豊かな歴史と美しい建築物を楽しめる街。パヴィーア大聖堂やサン・ミケーレ教会など多くの教会や修道院があるパヴィーアは、Via Francigenaを行く巡礼者にとっても、信仰と文化の深い結びつきを感じる特別な場所となっています。現在のパヴィーアは、古代から現代まで息づく魅力を存分に感じられる場所です。街の中心部には多くのカフェやレストランが軒を連ねており、美味しいイタリア料理や地元のワインを楽しむことができます。特に、パヴィーアの郊外に広がる美しいワイナリーやオリーブ園は、訪れる人々に素晴らしい景観と味覚の体験を提供しています。ぜひ皆さまも一度、この街を訪れてみてはいかがでしょうか。

文責/アドマーニ