バレンタインはイタリア発祥!悲しい起源とは?
イタリア小話~Chiacchiere!/Mail Magazine 29 Gennaio 2020
いよいよバレンタインがやってきますね!
日本人が大好きなバレンタインデーですが、本当の由来を皆さんはご存知でしょうか?
その歴史はなんとローマ帝国時代まで遡ります。
「バレンタイン」は司祭の名前
バレンタインはもともと、3世紀にローマ皇帝の迫害下で殉教したキリスト教の司祭、
「ウァレンティヌス(=バレンタイン)」に由来する記念日だと言われています。
ローマ帝国時代、国は政策として兵士たちの結婚を禁止していました。
妻や子がいると士気が下がり、出兵したくない兵士が増えると考えられていたのです。
そんな中、この政策に反したのがバレンタイン司祭でした。
バレンタイン司祭は結婚を禁止されて悲しむ兵士たちを憐れみ、隠れて兵士たちを結婚させていたのです。
しかし、掟を破っていたことが皇帝の耳に入り、兵士を結婚させないよう命令します。
それでも命令に反し市民の結婚を推奨し続けたため、バレンタイン司祭は投獄され、
死刑を宣告されてしまいます。
その殉教日こそが、2月14日なのです。
なぜ2月14日?
処刑日である2月14日にも、あるお祭りとの深い繋がりがあります。
古代ローマ時代には、家庭と結婚の神様とされている女神・ユノの祝日である2月14日の翌日、2月15日から「ルペルカリア祭」というお祭りが行われていました。
当時、若い男性と女性は別々に生活しており、
ルペカリア祭は男性と女性が巡り合う唯一のお祭りでした。
ルペルカリア祭の前日に若い女性達は札に自分の名前を書き、桶の中に入れます。
次の日男たちは桶から札を引いて、札に書かれた女性と引いた男性は、その祭りの間はパートナーとして一緒に過ごします。
本来は祭りの間だけのパートナーでしたが、多くの男女がそのまま恋に落ち、結婚しました。
バレンタインの処刑の日はあえてこのユノの祭日2月14日に選ばれ、
皮肉にも恋の祭りであるルペルカリア祭の生贄として捧げられたのです。
そしてこの伝説によってバレンタインは守護聖人となり、2月14日は祝日となりました。
恋人の日というからにはきっとロマンティックな起源があるのかと思いきや、
市民の愛を後押しした司祭の処刑日・・・という、悲しい物語があったのです。
ちなみに、現代におけるイタリアのバレンタインでは男性から女性へプレゼントを贈るのが主流です。
日本のように女性が男性に告白するという特別な風習はありませんが、
愛し合う人同士で気軽に贈り物をしあったり食事を楽しんだりして、各々がバレンタインを楽しみます。
悲しい伝説の背景がありましたが、今では世界中で楽しまれているバレンタインデー。
みなさんも感謝の気持ちをこめて、プレゼントをしてみてはいかがでしょうか。