ボートに石弓！競馬だけじゃない、夏のイタリアのパリオ

イタリア小話～Chiacchiere！／Mail Magazine 24 Giugno 2020

Buongiorno!
イタリア夏の祭典として特に有名な競馬レース、パリオ。
シエナのパリオは特に有名で、毎年７月２日と８月１６日に開催されます。
住民は１年間お祭りのために準備と練習を重ね、この日に全ての情熱を注ぎこみます。
息をのむような熱狂感と迫力を感じられるお祭りです。

ちなみにパリオといえばこのシエナの競馬レースが有名ですが、
競技は競馬と決まっているわけではなく、
街によっては石弓やボートなどの面白いレースが開催されています。

今回はそんなパリオの魅力についてご紹介します♪

そもそも・・・“パリオ”とは？

イタリア各コムーネで行われる、伝統スポーツの競技祭。
起源は諸説ありますが、1260年にモンタペルティの戦いでシエナが勝利した際に、
聖母マリアへの感謝の気持ちを、「お祭り」と「馬のレース」として捧げたのが始まりと言われています。
その後長い歴史の中でスタイルは変化し、今では地方ごとに様々な形式のパリオが行われています。

ちなみにパリオとは、高価な織物でできた「パッリウム」という長方形の旗が語源。
今では優勝旗のことをパリオと呼び、これを手に入れるために闘志を燃やすのです。

イベント内容は？

シエナのパリオでは、伝統衣装に身をまとった人々のパレードの後に競馬レースが開催されます。
地区代表の騎手が荒くれ馬を巧みに操り、広場を2周します。
観客で溢れる広場の中を勢いよく駆けるレースは迫力満点です！

またパリオのレース自体は、お祭のうちのほんの一部。
祭の日の前にも、広場ではさまざまな催しが行われます。
馬の選出会や試走、地区ごとの食事会や屋外パーティーなど、準備や交流会で地区の結束を固めていきます。

レース後も勿論イベントは続き、教会へ感謝の祈りを捧げにいったり、
優勝した地区では一晩中パレードをしたりして勝利を祝います。

これらは一般参加が出来るものもあり、ローカル雑誌などに情報が掲載されます。

競馬以外のパリオ

海のパリオ Festa di S.Pietro e Palio Marinario
場所：ジェノヴァ　　
時期:：6月最終日曜日　
港町らしく、ジェノヴァのパリオは地区対抗のボートレースです。
期間中はお菓子やB級グルメ、アトラクションなどの屋台がひろがり街中が賑わいます。

石弓のパリオ　Palio della Balestra
場所：グッビオ
時期：5月最終日曜日
中世の衣装に身を包んだ人々が、巨大なクロスボウ（石弓）で競い合う伝統祭です。
こちらもまた、盛大なパレードや屋台などで街中が盛り上がります。
(画像：https://fr.wikipedia.org/wiki/Palio_della_Balestraより)

今年は新型コロナウイルスの影響で、パリオを始めとした様々なイベントが中止・延期となっているようです。
ただイタリアはパワフルで情熱的な国ですので、
きっと次回は延期された分まで盛大に開催されると思っています。
この状況から抜け出した暁には、皆さんもぜひ各地のパリオを見に行ってみてくださいね。
それでは、ciao ciao!