春の一大イベント!パスクワを楽しもう!
イタリア小話~Chiacchiere!/Mail Magazine 01 Aprile 2020
3月に入り、いよいよ春の訪れを感じだしましたね。
イタリアでは春の一大イベントとして、「パスクワ(=イースター)」を祝う文化があります。
パスクワはイエス・キリストの復活を祝う記念日で、キリスト教徒が大半を占めるイタリア人にとって、
1年で最も重要な日のうちのひとつです。
パスクワのシーズンが近づくとショーウインドーにカラフルな卵やウサギの飾り、伝統菓子が並びだし、
街中に春らしい華やかな雰囲気が広がります。
Pasqua(パスクワ)とは?
十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、三日目に復活したことを記念する祝日です。
キリストが人間として生まれたクリスマスの日と同等に、キリスト教において最も重要な日なのです
毎年変わるパスクワの日
パスクワは固定された祝日ではありません。
「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」がパスクワの日となるので、毎年日にちが変わります。
ちなみに、パスクワの日は毎年3月下旬から4月中の春のシーズンにやってきますが、
一度だけ夏になってしまう年がありました。
それは1582年のこと。当時イタリアでは旧暦“ユリウス暦”が使われており、
現在一般的に使われている“グレゴリオ暦”とは毎年少しのずれが生じていました。
このユリウス暦の春分の日を基準すると、組み合わせによってはパスクワの日が春分の日の30日以上後になることがあり、この年は夏頃にパスクワがやってくると判明。
この出来事が、旧暦ユリウス暦から現在のグレゴリオ暦へ変わるきっかけとなったと言われています。
イタリア人のパスクワの過ごし方
この日はイタリア全土が祝日。
家族や親せきで集まり、大昼食会をするのが一般的です。
昼食といっても正午過ぎから夕方まで、とても長い時間をかけてゆっくりと食事を楽しみます。
また昼食会の伝統的なメイン料理といえば子羊。豪快なローストなどを大勢で囲むのです。
パスクワで食べられる伝統菓子
パスクワが近づくと街中に色とりどりのパスクワ菓子が並び出します。
シンボルである鳩やウサギ、卵の形をしており、どれもとても可愛らしい見た目です。
●コロンバ
バターと卵の風味がふわっと香る、鳩の形のスポンジケーキです。
クリスマスのお菓子パネトーネとも似ていますね。
●卵型チョコレート
中が空洞になっていて、玩具やアクセサリーなどのサプライズプレゼントが入っています。
年齢問わず、みんな何が入っているか楽しみにしながらチョコレートを割ります。
手のひらサイズのものからラグビーボールほどのもある特大チョコレートまで様々な種類があります。
パスクワはキリスト教にとって重要な祭日であると同時に、春の訪れをみんなで楽しめる素敵なお祭りです。
街中が春らしい色に染まりだし、見まわすだけでも楽しい気分になりますよ。
パスクワの時期にイタリアへ行った際には、是非ともこの賑やかな雰囲気を楽しんでくださいね。